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大須賀淳
2023.5.31 17:36その他ニュース

「ステルス」されたのは何?

以前、「ステマ」(ステルスマーケティング)という言葉が話題になった事がありました。

ステマ=芸能人などのインフルエンサーが、企業からお金をもらっての広告活動である事をステルスして(ニュアンスを込めれば「積極的には言わない」レベルで隠して)、商品やサービスを褒めるSNS発言をしていた事がゴシップ的に騒がれ、それですっかり見なくなってしまった人もいます。

自分の感想としては、世間一般の「純粋まっすぐ君」な声(叩くためにあえて装っただけかもしれませんが)がけっこう意外でした。

芸能人が商品を褒めるなんて宣伝要素があるに決まっていて、その上で自分の琴線に触れる部分があれば、それに乗っかって楽しむというのが、オトナにとって当たり前の「消費社会のたしなみ」だと思っていたので。

みんなけっこう、青いツボミのまま心だけが先走るオトナブルーだったのね(推しまくりですが、「新しい学校のリーダーズ」の事務所からはお金もらってませんよ!)

閑話休題(←これ!一昔前のエッセイによくあったこの表現、オトナぽくって使ってみたかったんだ!)

又聞き的に知ったエピソードですが、ある企業が作った商品プロモーション動画に

この動画、ステマじゃん

というコメントがついた事があったそうです。

その動画は企業公式のチャンネルで配信され、堂々と商品の利点をアピールしているので、全然「ステルス」していない「ただのマーケティング行為」で、法的にも倫理的にも全く問題ありません。

単に「ステマじゃん」と言った人が、言葉をよく知らなかっただけですね(「宣伝じゃん」と悪態をつきたかったのでしょうね)。

さてさてさてさて(展開はシリアスに)、その一方、日本のテレビや新聞といった大手メディアには、ステルスされることなくまったく合法的にファイザーやモデルナといった企業のイメージ広告が流れます。

広告宣伝に関わる人に向けた情報メディアには、こんな記事も載ります。
https://mag.sendenkaigi.com/senden/202301/sympathetic-branding-strategies/025385.php

そもそも、これらの会社は「厚生労働省が認可した」薬剤を、製造販売しているだけですものね。ごくごく普通の企業活動です。

「ステルス」せず、「合法」で、「普通」の企業活動…

だからこそあまりに闇が深く、そしてその結果として命や健康を毀損されながらもステルスされてしまった人たちがいる、問題の本質はそこだったのではありませんか?

正体の見えない大きな陰謀に挑むことにちょっとワクワクしてしまう気持ちは、僕も理解できます。

しかし、この数年の「茶番」の最も恐ろしい本質は、陰謀を陰謀と思えるような根っこの常識が毀損されてしまった事だと思います。

ワクワクするような陰謀論への「参加」は、そこで示される「敵」と同じ次元への堕落ではないでしょうか。

「ステルスされた」のは、いったい何だったのか?

続きます。

大須賀淳

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